2016.01.10
「不死の王(ノーライフキング)」は本当に死んだのか?

 かつてその恐るべき魔力によって不死族(アンデット)を生みだし、その卑劣なる狡知で人間族に敵対する諸勢力を糾合、諸王連合を率いて、あまたの人間族の国家を滅ぼし、アラバキア王国を天竜山脈の南へと追い詰めた、不死の王(ノーライフキング)。
 その後、各勢力の王たちに推される形で皇帝の座につき、不死の帝国を設立した彼は、だが百年前、突如として没したという。
 皇帝の絶大な求心力を失ったことで、諸勢力は分裂、崩壊。その混乱に乗じて人間族は反撃を開始し、この地にオルタナを築くこととなった。

 不死の王が、死ぬ。

 この矛盾に、ある者は「所詮、不死の王(ノーライフキング)など、傲慢な自称に過ぎなかっのだ」と笑い飛ばす。
 だが、ある者は言う。不死の王(ノーライフキング)は本当は死んではいない、いや、仮に死んだとしても必ずや蘇る。でなければ、「死んだ」はずの不死の王(ノーライフキング)の呪いがなぜこの辺境の地に残っているのか。力尽き倒れた屍(しかばね)が、放置すれば一週間もせず、不死族(アンデット)となって起き上がる……これこそ、不死の王(ノーライフキング)が本当は生きている証拠だ……、と。

 どちらの言い分が正しいのか、筆者は未だ答えるに足る情報を持たない。
 だが、もし本当に、将来、不死の王(ノーライフキング)が復活するようなことがあれば……オルタナのみならず、グリムガル全土に激震が走ることだろう……。

(本紙記者)
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で汚すなかれ。
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